恨むなかれ愛したまえ

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Defiled

4/20

 Defiledを観劇してきた。

 

自担を初めて舞台(単独舞台)で見たのは広島に原爆を落とす日のプレビュー公演。

寝盗られ宗介を2回で3公演しか見たことないが、今回つか作品じゃなくて、錦織さん演出じゃない舞台を初めて見れるってすっっっごく喜んで即入金。

 

勝村さんと二人舞台。演出スズカツ。4度目の上演。

最高な舞台の要素しかなくてコマッタ。

 

今回手に入ったチケットは1枚のみ。

もう楽しみで仕方なくて、席も三列目の端っこで。ついに観劇することが出来た。

 

 

(ここから盛大なネタバレ)

出てきた瞬間からもう顔が綺麗。

 

1人だからずっと無言だけど、戸塚くんの目の演技って本当にすごい。

 

ハリーはとにかく知識があって、スタバとかショッピングモールみたいな、どこにでもあったり、どこかを潰して建てるような建物、どこも一緒で近代的になってしまうことを嫌う人。

 

それはカード目録(古いもの)がコンピュータ(新しいもの)に変わってしまうことと置き換えてそう思ってるだけなのかもしれない。

 

会話の中に(新しいもの)になってしまう前に(古いもの)に行けって言葉何回か出てくる。

それもカード目録が無くなることを想像してなかったハリーだからこそ、無くなる前にって思いがたくさんあったんだろうなぁ。

 

一番最初からハリーがいう「交渉はしない」。

その言葉とは裏腹にやりとりの中で、ディッキーが何回かポロッと地雷を踏んでハリーが憤慨するのを繰り返しながらも、行きたいところ、家族の話や、過去の話をして、コーヒーを飲み交わす。

 

でもだんだんディッキーが交渉が雑になってきたようにしか感じられないくらいに、イタリアでもどこでも2週間いってきたらいい、お金は全部出す的なことを言い出す…ハリーはもちろんカード目録は!?ってことになるんだけど、爆破しても無くなる。海外へ行っても無くなる。それから海外へ行ってなくなった方がいいだろう?って言う交渉をするんだけど、見てるこっちがえ!?筋違い!(勝手に思ってるだけ)って思うセリフがここら辺から増えるんだよねぇディッキー…あくまで自分が思うだけ。

 

でハリーが奥さんと電話してたのいつのタイミングだっけなぁ、、

 

とりあえずディッキーが1回、外に行く、何しに行くんだよ!、俺には荷が重すぎるって言いに行くよって出ていこうとして。そしたらハリーが奥さんと素敵だね3人でイタリアへ行こうとか行って取り繕う。ハリー、ちょっとでも、心開けたと思ったんだろうな(かなり理屈攻め知識攻めしてたけど)寂しいんだろうなってところでグッとくる。

ディッキー出ていってからウロウロして、ディッキーが座ってた椅子を戻して、どこか不安そうにどかっと、館長席に座って、戸塚くんの!戸塚くんの!!!いつものたこ口して、いじけたような寂しそうな雰囲気を出すハリー。

それで、序盤の交渉で、自殺マニアの姉貴に電話しようと思うなよ、10年?も喋ってないとか言ってたのに、電話をかける。さようならを言いたくて。で、お姉ちゃんが奥さんいる旦那さんと不倫しちゃってたり、電話切られたりでもう一回かけたり、結局自分の話をほぼ出来ないまま電話を切る。

 

その数秒後にディッキーが戻ってきて、海外旅行のチケットやら滞在費やらの紙を持ってきてこれで無銭で行けるから!

カード目録はどうなる!?どこかに保管しておこう!どこ!?んんんー分からないけれどどこかに!どこかって!?

で、ディッキーの家の倉庫に落ち着く。警察官の家の倉庫なら心配ない、いつでも見に来ればいいって。

ここでハリーはディッキーと握手して抱き合って素敵な雰囲気のようなどこか不思議な雰囲気のまま2人で外に出る(舞台からはける)

 

 

ここで、ああ、あんなに言い合った割にはさっぱりしてて、根本的解決ではなくて、ディッキーはカード目録を自分の家で預かるっていう負荷がかかっているけど、交渉成功、自分は帰る場所があってそこに帰れる。

でもハリーは?カード目録を残すことは出来るけど、図書館から出したら意味が無い。戻れるわけがないって握手の直前まで言ってたよね。

 

全然腑に落ちなかった

 

今までのやり取りなんだったんだろうって。保管ならハリーでも出来るよ。

 

 

って不完全燃焼のまま誰もいない舞台を見つめていたら馬鹿なまねはやめろハリーって扉の奥から聞こえる声。図書館の中に一人戻ってくるハリー。

 

待ってたぁ〜…正直待ってた。ハリーが戻ってくるの。

 

そこからはあっという間だった。

 

カード目録は日々更新されてく。新着図書が来たらまたカード目録を作らなければならない。でももうそれが出来なくなる。ましてや自分は館長ではなくなってしまったし、ブラックリストに入れられて、どこの図書館でも働けない。

 

ディッキーの提案はハリーが求めていたものでは無かったんだと確信した。

 

ハリーはカード目録を残したいと言っていたけど、残したいではなく、生かしたいと思っていたに違いない。ディッキーの家の倉庫にカード目録があったとしても、館長でもなく、図書館で働いてるわけでもない、更新することは出来ない。

 

自分でもう図書館で働くことが出来ず、カード目録を更新することが出来ないことが分かっていた。ハリーが自分で交渉はしないといったのは本当で、最初からもう図書館で生き続けるカード目録を守れない限り爆破を諦めるわけがなかった。

 

ハリーはどこからか撃たれて、最後の力を振り絞って起爆スイッチを押そうとするも反応しない、なんでだよ…投げて爆弾が本棚から落ちてEnd

 

 

 

 

はぁぁぁ誰も悪くないけどただただ苦しい

ハリーの事考えるだけで苦しい

 

 

セリフの中の

図書館員での初めての殉職者になる

 って言葉。

カード目録を生かすことに命を捧げ、古いものを大事にするハリーを戸塚くんが演じてくれてよかった。